藤嶋ミロ『鷲の刻印 上 フレデリック・ショパンの運命』

鷲の刻印 上 フレデリック・ショパンの運命 2020年代

同じ著者の『小説ショパン ワルシャワ幻想曲』の延長上にあたる小説です。こういう伝記小説というジャンルは難しく、ときには研究書や伝記などよりも下に見られがちですが、この『鷲の刻印』に関しては逆で、今まで読んだどの伝記小説とも違います。一例をあげれば、同じ音楽之友社から出されている名曲解説ライブラリーに付された関係人名録が30名なのに対して、この小説の巻頭にある主要登場人物と題された解説付き人名録は45名など。下巻には参考文献の他に作品リストまで用意されています。下手な伝記を何冊も読むよりこの2冊を読む方が詳しくなれます。
特にショパンの親友ヤン・マトゥシンスキに関してはとても詳しく、パリに上京したての頃のショパンの身辺について、これまでの伝記では描ききれていなかった穴を見事に埋めてくれています。ただ、華やかなものを求めている人には重い内容も含まれるので辛いかと思いますが、ショパンに詳しい人だけでなく、これからショパンについて知りたいという人にも是非読んでほしい一冊です。

書籍名:鷲の刻印 上 フレデリック・ショパンの運命
著者:藤嶋ミロ
出版社:音楽之友社
発刊日:2003/4/5
価格:2,300円+税
頁数:279
ISBN4-276-21525-0

※本の仕様や価格は当時のものです。最新情報は購入サイト等でご確認ください。(ショパンの本棚管理人)

こばやし
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