資料室

ショパンが日本の文献に現れた最初の記録

日本においてショパンはバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンと並んで人気があり、書籍も100冊以上出版されています。例えばメンデルスゾーンという名前は、クラシック愛好家でなくとも広く知られていると思いますが、メンデルスゾーンに関する日本語で書かれた書籍は、せいぜい10冊程度しか出版されていないということを考えれば、ショパンの人気が日本においてどれほど大きいかは分かるでしょう。明治以降、ショパンがどのうにして日本に紹介されてきたかは興味の尽きないところですが、「ショパン」という文字が紙媒体に記された記録は、国立国会図書館のWEBサイト内にある「近代デジタルライブラリー」で確認することができます。

このライブラリーに残された記録によると、明治43年(1910年)に出版された三宅雪嶺『偉人の跡』に「ショパン及びメンデルスゾーン誕生百年」(明治42年)という記事が掲載されており、タイトルが付けられ紹介された記事としては最も古いものではないかと考えられます。これは現在、インターネットを通じて読む事も可能です。もちろん名前の紹介だけであればタイトルの付いていない記事もあるかもしれませんし、演奏会のパンフレットに記録されているかもしれません。

この他に、国文学者の島内裕子さんが書かれた『美しい時間』という本の中で、近代文学に登場するショパンがいくつか紹介されています。その中でも特に古いものとして、北原白秋の『邪宗門』に収められた詩「樅のふたもと」に「chopin(シオパン)」の文字が記されており、この詩は明治41年(1908年)2月に作られたと書かれています。

関連リンク

ショパン及びメンデルスゾーン誕生百年
近代デジタルライブラリー(国立国会図書館所蔵、明治期刊行図書データベース)