[The Romantic Piano Concerto, Vol.1]
ドイツ人ピアニストのフェルディナンド・ヒラーはショパンの親友でした。パリでのデビューコンサートでも共演しています。1835年には二人の並んだ肖像をかたどったブロンズメダルも作られており、親交が深かったことを窺わせます。ショパンの手紙にはヒラー、リスト、フランショーム、メンデルスゾーンなどとの交流が書かれていて、ワルシャワに続き第二の青春期といった感じが伝わってきます。ヒラーには作品15のノクターンを献呈しました。
さて、このCDはオムニバスで他にカルクブレンナーのコンチェルトや、ショパンの演奏会用アレグロの”オーケストラ版”が入っています。ヒラーの協奏曲は単一楽章のもので、このCDの演奏がそうなのかもしれませんが、オーケストラとピアノが分離し過ぎていて、それが本来の協奏的なものなのかもしれませんが、まとまりのない印象を受けます。曲そのものは、明るく伸びやかな作品に仕上がっています。
[The Romantic Piano Concerto, Vol.1]1992 THE VOX MUSIC GROUP
Michael Ponti(piano),Jerome Rose(piano),
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