CDラック|周辺の音楽 「La dame blanche」Francois-Adrien-Boieldieu(1775-1834)

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ボィエルデューの「白衣の婦人」です。ショパンは初めてウィーンを訪れた際、着いてすぐにこのオペラを観たと家族宛の手紙に書いています。そして1829年8月11日火曜日、国立ケルントナートア劇場で催されたショパンのウィーン・デビューコンサートでこの白衣の婦人のテーマを使った即興曲を弾きました。観たばかりのオペラから主題をとったり、初舞台で即興演奏してしまうあたりは、相当根性が座っていたとしか思えません。ショパンがこの白衣の婦人の何の主題を使ったかは伝えられていませんが、第二幕にブラウンが歌う「出でよ白衣の婦人」が有名だそうです。

●「白衣の婦人」
●台本:ウージェーヌ・スクリープ
●作曲:フランソワ=アドリアン・ボィエルデュー 1825年
●登場人物:ジョルジュ・ブラウン(旅の士官)、アンナ(城の女中)、ディクソン(農夫)、ガヴェストン(城の管理人)

第一幕:舞台はスコットランドの片田舎。農夫のディクソンは娘の洗礼式の準備をしています。そこへ旅の途中の士官ジョルジュ・ブラウンがやって来て一夜の宿を求めます。農夫は夕食の時、ブラウンに近くの古城の伝説を話して聞かせます。古城は昔アヴェネル伯爵の持ち物だったが、伯爵が亡くなってからは、ずるがしこいガヴェストンという男が代理人として管理していること。古城には夜な夜な白衣を着た婦人の亡霊が現れて村人は皆恐れていること。そして実は自分も昔、白衣の婦人の亡霊に会ったことがあり、亡霊が助けを求めたら必ず城に来るように約束させられたことを話して聞かせました。するとその夜、亡霊から城へ来るようにとの伝言がディクソンに届きます。怖じ気づいたディクソンはブラウンに代わりに行ってほしいと頼みます。

第二幕
:ディクソンの代わりに城に来たブラウンは女中のアンナに通されて城の中に入ります。アンナは来たのが農夫のディクソンでないことに気付きますがブラウンを部屋の一室で待たせます。一人になったブラウンはさっそく「出でよ白衣の婦人」と歌います。すると白衣の婦人が現れ、明日、城の管理人ガヴェストンによって、この城が不正に競売にかけられてしまうことを告げます。そこで明日の競売に参加して指示に従い落札するようにと伝えます。ディクソンの代理で来たブラウンは婦人の言う通り競売に参加することを約束しました。
翌日競売が始まりブラウンは亡霊の指示する通り値を上げ続け、みごとに落札します。しかし大きな問題が残されていました。ブラウンにはお金がないのです。ガヴェストンはブラウンに必ず支払うように言い、出来なければ刑務所行きだと脅します。

第三幕:アンナはブラウンの事を考えていました。ブラウンに城を落札するよう命令した白衣の婦人の正体は実はアンナだったのです。アンナは遺言で「白衣の婦人像」が置かれているその下に莫大な財産が隠されていることを知っていて「白衣の婦人の亡霊」として城を守り続けてきました。遺産の噂を知っていたガヴェストンは法外な額で城を競売にかけ、落札者がいなければ財産ごと城を自分の物にするつもりだったのです。予定が狂ったガヴェストンの怒りはおさまりません。アンナは記憶の中から昔、戦争で傷ついたブラウンの看護をした時のことを思い出します。何かを確信したアンナは必死になって像を探し出し、その財産でブラウンを助けようとします。ブラウンが財産を受け取る正当な権利があるとアンナは主張するのです。しかしアンナの申し出をガヴェストンが聞き入れるはずはありません。するとそこにロンドンから連絡がきてブラウンは城主アヴェネル伯爵の息子ジュリアンであることが判明します。戦争で記憶を無くしたジュリアンはその後ブラウンと名乗り士官をしていたのです。ブラウンは間一髪の所を助けられ城の後継者であることが認められました。

遺言の役目を果たしたアンナはそっと城を後にしようとします。ブラウンはアンナの後を追いかけ結婚を申し込みますが、アンナは身分が違うと断り去ろうとします。ブラウンは結婚を断られるなら遺産などあっても意味が無いので自分もこのまま城を去ると言います。ブラウンの誠意にほだされたアンナは申し出を受け、二人はめでたく結ばれます。

[La dame blanche]Chorus&Orchestra of Radio Hilversum
Jean Fournet, conductor
Live performance,Hilversum,November 28, 1964
OPERA D’ORO OPD-1364

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