ショパンコンクール 終了・もろもろ(2010年)

ショパン増刊 第16回ショパン国際ピアノコンクール 管理人コラム

kobakoshi (2010年10月22日 23:38)

ショパコン終わって感じたこと思ったことをつらつらと書きます。


ロシア勢はやはり強かった

今回本戦に進んだ10名中半分がロシア勢と
圧倒的な強さを見せつけてくれました。
この5人の経歴を見てみましょう。


ミロスラフ・クルティシェフ
サンクトペテルブルク音楽院で
他の4人がモスクワで学んだ中
一人だけサンクトペテルブルクです。
Alexander Sandlerの元で学びました。


優勝したユリアンナ・アヴデーエヴァ
今大会で一躍人気者になったダニイル・トリフォノフ
共にキーシンで有名なグネーシン音楽アカデミーで学んでおり
姉弟弟子とも言えます。
アヴデーエヴァが名教師トロップに学び
トリフォノフはトロップ教授の奥様
タチアナ・ゼーリックマンに学びました。


ニコライ・ハジャイノフルーカス・ゲニューシャス
共にモスクワ音楽院で学んでいますが
この二人は同じ学校とはいえ流派は全く違います。
ニコライはミハイル・ヴォスクレセンスキーに師事しているので
第1回ショパンコンクール優勝者レフ・オボーリンの孫弟子にあたります。
今回は残念ながら結果は出ませんでしたが期待以上の演奏でした。

ルーカスは日本でもおなじみヴェラ・ゴルノスタエワの孫です。
ゴルノスタエワはディーナ・ヨッフェなども育てており
その系列はゲインリッヒ・ネイガウスにつながります。


以上、経歴肩書きは関係無いと思われがちですが意外に重要です。
今回の上位陣を見ればそのことは明らかです。
次回開催時はこの辺もチェックしてみるといいかしれません。

日本人が3次予選に進めなかった現実

今回残念ながら日本人は3次予選に一人も進めませんでした。
それどころかアジア勢で決勝に進めた人は一人もいませんでした。
なぜこのような結果になってしまったのでしょう。

まあこれも原因はいろいろあるとは思うのですが
単純に考えて「伝統の違い」かなと。
今回ファイナルに残った10名は全員欧州・ロシア勢です。
この人たちの音楽教育には伝統があります。
彼らは伝統の延長上にいて、伝統の流れからきた結果が彼らです。
意外にこのことを意識することは少ないんですが
日本人と彼らの決定的な違いといえばここくらいでしょうか。
日本だって100年以上の音楽教育の歴史があるじゃないかと怒られそうですが
まあまあまあ・・

じゃあ今後どうすればいいのかというと
僕個人の考えでは日本は日本のコンクールを
アジアはアジアのコンクールをやって
独自の伝統を作っていけばよいのではないでしょうか。
てか言うまでもなく実際そうなってますね。

ですから今回日本は決勝に進めなかったからといって
負けただの、もうダメだのと思わないで
そもそも勝った負けたの世界じゃありませんし
切り分けて考えてみるちょうどいい機会なのかもしれませんね。

YAMAHAが初優勝!オメ
そんな中、明るいニュースとして
日本が誇るピアノメーカーのYAMAHAが初優勝しました。
これってすごい画期的な出来事だと思うんですよね。
モノ作り日本の面目躍如。本当におめでとうございます。

管理人コラム
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